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「晴れた……」
抜けるような青空を見上げて、ぽかんと口を開ける。昨日に続き、二日連続で晴れるなんて、なかなかないことだ。まさか本当に、ご利益があったのだろうか。
「みーちゃん、昨日はごめんね」
申し訳なさそうに眉を下げて、よっちゃんが駆けてきた。隣にはランドセルを背負った弟のタカシくんもいる。熱を出したとは思えないぐらい元気そうで、ほっとする。
「ううん。それより良かったね。タカシくん、元気になったんだ」
「うん、薬が効いたみたい。今日はもう何ともないよ」
「熱が下がるようにお祈りして、って言われた時はびっくりしたよ」
「え? 何のこと?」
「何のって……」
首を傾げるよっちゃんに、昨日のことを説明する。
「……私、そんなメッセージ送ってないよ?」
「えっ……?」
「だって、みーちゃんが怖がってるの知ってるもん。そんなことさせるわけないよ」
「え、でも、確かに……」
スマホを取り出して履歴を確認する。昨日見たはずのメッセージはどこにもなかった。
「……キツネに化かされたんじゃね?」
タカシくんの言葉は、耳に入らなかった。
私は一体、何に唆されたんだろう?
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