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「ママ……私もう十六歳になったよ。一人前の冒険者になったわ。聞いてよ、ランクAなのよ?凄いでしょう?」
小高い丘の小さな墓標。私はお供えの果実をそっと置いて語りかける。
ママは私が四歳の時に受けたクエストで亡くなったと理解したのは七歳の時だった。
グロリアおばさんが私に言った言葉。
──雨が降ったらママは帰ってくるよ──
この土地には雨が降らない。魔王の瘴気が強く影響している為だ。そのせいで作物は実らず、この村の人間は冒険者としてお金を稼ぐしか残された道はなかった。
おばさんは私がママの死を理解できないと悟り、そう話したのだろう。
大好きなママ。私、家事を覚えたわ。恋人もできたの。
パパの事は心配しないでね。私と彼が支えるから。
私、ママより長生きするからね。だから──いつまでも見守っていて。
END
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