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終わりの音
鳴り続けるインターホンに、ダンダンとうるさく叩かれる扉。
そんな音に目を覚ました湊は、バクバクとなる心臓を抑えるかなように胸の辺りに手を添えて、母親の元へぎこちない足取りで向かった。
「湊、ごめんなさい…」
湊の母親は湊を抱きしめ、泣きながら謝るだけだった。
「ぉか、さんっ、こゎ…こわ、ヒィッ…」
湊が母親に縋り着いて怖い怖いと訴えようとした途端、玄関の方から大きな音が鳴り響いたのだった。
気づけば母親は湊から離れていた。
そして、湊は数人の男に囲まれていたのだった。
湊は親に売られたのだった。
男たちは湊の体を隅々まで触り、繋がった。
それは、長い時間行われたのだった。
何十年も前の話だが、今でもトラウマとして湊の心には大きく残っていた。
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