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目を覚ますと日付が変わっていた。あのまま眠ってしまった。時計を見ると午前11時。12時間以上も眠ることなんてまずないのに。今日が土曜日でよかった。
どれだけ体力を消耗させた涙だったのかと思うと笑いが込上げてくる。
外を見ると雲行きが怪しい。今から用意すればカフェの開店時間に間に合う。
私は泣きはらした目を冷やしメイクと眼鏡で誤魔化して用意もそこそこに家を飛び出した。
電車に揺られる間、一心不乱に念じる。今日はどうしても彼女に会いたい。話を聞いてもらいたい。
『雨よ降れっ!雨よ降れっ!お願いっ!雨よ降れっ!』
私は両手を結び目を閉じて駅に到着するまで念じ続けた。
駅に着くと晴れ間が見え隠れするがしとしとと雨が降っていた。慌てていたから傘を持っていない。
「狐の嫁入り・・・・」
これなら傘がなくても大丈夫そう。私は急ぎ足でカフェへ向かった。
午後二時少し前にカフェに到着。途中から本格的に降り出して、最初にカフェを見つけた時の様にずぶ濡れだった。
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