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ここ二、三日、急に温かくなったし、身体がついていっていないのだろう。
「健太はどうするの?」
流しに寄りかかり、渡されたコーヒーを飲む。
「俺は学校行って作業してくる」
ちらっと健太が視線を向けた先には、大きな袋が置いてあった。
「いつもすまないねぇ」
「それは言わない約束だろ」
ふざけたら、笑いながらバンバン健太が背中を叩いてくる。
健太の特技は服作りで、いつも安く古着を仕入れては私たちに服を作ってくれた。
ちなみにこのスーツも健太が古着を改造してくれたものだ。
「巧と真は?」
巧は健太の下の弟。
真はさらにその下の弟だ。
「巧は図書館で勉強するって。
真は学童のあと、友達とサッカーするって張り切ってたな」
「なら、いいけど。
……これでお昼、なんか食べな」
財布から千円札を引き抜き、健太へ渡す。
けれどそれは、押し返された。
「清ねぇ、いつも言ってるだろ?
毎月入れてくれるお金だけで十分だって。
清ねぇだってカツカツなの、わかってるんだからさ」
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