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#1
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あの日、
あなたに、
あいたくて、
あいたくて、
あいたくて。
ひとり彷徨い続け
廃人になった。
そして、
あの不思議な街へと辿り着き
彼に出逢い、
救われた。
でも、彼は……
誰なの?
20ページの謎めいた
せつないラブストーリー。
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降り続いた長雨が嘘のように
よく晴れた午後だった。
土曜ということもあり、歩道は行き交う人の群れに覆われている。
紫外線対策に身を包む女性も目立つ中、
太陽とはまるで無縁のように、麻広は街を浮遊していた。
追い越していく波に何の興味もないが、波の方もまた、ふらふら彷徨う彼女を振り返る様子などない。
──なぜこんなことになってしまったんだろう。
人生とは残酷だ。
報われないどころか、時として望まない方向へ容赦なく引きずり込む。
意思、目的、欲望。
そんなものはどこか遠い所へ葬り去ってきたような脱力感。からっぽな心。
あまりにも軽い体に、ぼんやり足元へ目を落としてみた。
腰まで伸びた髪がふわっと舞い上がる中
まずは、お気に入りのニューバランスを履いていることが確認できた。
デニムのロングスカートに部屋着のTシャツ、肩からは外出時、よく身に付ける黒いバックをさげていた。
中を覗くと鍵、財布、携帯電話が入っている。
コンビニでも行くつもりだったのだろうか。
おかしな話だが、何のために、どうやってここまで辿り着いたのか、一向に思い出せずにいたのだ。
──突然、ドスッと右肩目掛けて衝撃が走った。
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