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「ペリクレス…。世事の疎い私でも聞いたことがあります。アナトリア王国の辺境伯に連なるお方がここに何の御用でしょうか?」
「私の前に、この場であなたに会った者のことでお尋ねしたい。あなたを害することも、薬の秘密を奪うことも考えておりません」
その場を動かず静かに言うサジュームであったが、白衣の女性は警戒した視線を送っている。
「あなたは、ウマイヤ国民から導師と仰がれるメリア・ヨーコ・アルジュ男爵ですね。あなたは以前、ここで一人の娘に会ったはずです」
「それで?」
白衣の女性はサジュームの言葉を否定せず、続きを促した。
「その娘とあなたがどんな話をしたのか、教えていただきたい」
「それは、なぜ?」
白衣の女性は、静謐な口調でサジュームを鋭く追及した。その返答いかんでは追い出されそうな雰囲気だった。
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