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また、アメリアが生きていたとしたら、その能力が他国に奪われることだけは避けたいと考える者も多く、行方を早く見つけ出しアナトリアの国益に沿う振る舞いをするべきと考える諸侯もいる。
アークも最近はそういう観点からアメリアを見る節があった。かつて、セデス海戦で退けたガラティアが国防に力を注ぎ続けていることを警戒しているのだった。
「リアは、ウマイヤにいたのだな」とガイウス。
アークとガイウスには、さきにアメリアのことは知らせてある。
「ええ。なんとか名残りを見つけました」
「…そうか」
ガイウスがそう言うと、壁のタペストリーが動いた。
「待たせた」
壁のタペストリーの影からアークが顔を出した。隠し通路からやってきたのだ。
「サジューム、ご苦労だった」
「陛下におかれましては、ご健勝のこと…」
「ここでは止めろ、そういうの」
アークがうんざりした顔で言うので、ガイウスとサジュームは人目が無いせいか、くくっと笑う。これが謁見の間だったら顔の表情筋を殺しておかなければならない。
「で、リアは?」とアーク。
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