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「マイヤルナで街の人間たちに交じり、元気に暮らしていたようです。マイヤルナの後の足取りはつかめませんでした」
「そうか。ウマイヤの導師との件は?リアが導師に関心があったとのことだが」
「国立薬事研究所で接触できました。導師と話をして、リアが導師に会ったことも確認しました」
「なるほど。目的は?リアが導師に会った目的はなんだった?」
アークは頭の中で目まぐるしく考えているようだった。メリア・ヨーコ・アルジュ男爵のことは、アークも知っていた。ウマイヤ王国の国力の根幹になっている人物である。その人物と、アメリアが会っていたというのならその意味は大きかった。
「陛下も精霊伝説のことはご存じですよね?」
「知っている。導師もリアと同じであったのか」
ウマイヤ王国の導師は、神から賜りし英知で人民を導くと言われている。その「英知」とは精霊のことではなかろうかと、ミウを知るアークたちは考えていた。その導師にアメリアが関心を寄せていると知ってから、なおのことアメリアを放っておけないと考えていた。放っている間にアメリアが他の国と深い絆と持ってしまえば、アナトリア王国は彼女の恩恵を受けられなくなる。
なんとしても、アメリアを見つけて、アナトリア王国につなぎとめる方法を考えなければならなかった。
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