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「リア自身の高い能力は生まれ変わりのためだとすると、赤子のときのあの利発さもまたそのせいと考えてよいのか?」
とアークが訊くと、サジュームは「多分そうでしょうね」と答えた。
それはサジュームが気になっていることの一つで、アメリアがミウだったとして、いつからミウの意識をアメリアが持っていたのか、彼がぜひともアメリア本人に確認しておきたいことだった。
「つまり、生まれ変わってこの世に誕生した時点で、前の世で死んだときの意識を持っていたのか?」とガイウス。
「…そればかりは、本人に確認しないと分かりませんが…」
「いや、そうだろ?思い出してみろ。アメリアは赤ん坊のときから、ぐずりもしなければ、怖がりもしなかった。あの時は扱いやすくてありがたかったが、そうやって考えてみれば、アメリアは赤ん坊のときから、今のアメリアだったんだよ。すでに大人だったんだ…」
ガイウスの言葉に、サジュームは自分の恐れていた考えを肯定されたような気がした。
「だとしたら、なぜもっと早くに自分のことを教えてくれなかったのだろう」
とアークが言うと、サジュームが
「言えなかったのでしょう。我々が、いえ、私が精霊の憑依を信じてしまっていた状態で、今更『実は…』とは言えなかったのでは」
と呟いた。
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