14歳のバースデー

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しばらくして警察が来た。近所の人は何事だろうかと家の窓から覗いている。 俺達はというと、事情聴取を行っていた。父はすぐさま警察に連れていかれ、もうここにはいない。 残った警察官は李実が倒れている現場を捜査している。もうすでに死亡は確認されているので殺人事件となる。 母は寂しい顔で李実を見つめながら言った。 「離婚しましょう。もう、あんな父のことなんか知らないわ。本当に役立たず」 「うん、俺もあんな父とはもう関わりたくないよ」 俺は自らの本音で言った。 それから引っ越しすることが決まった。ちょうど祖母から母に久しぶりと電話がかかってきた。 母はその電話で祖母にすがりつくように泣いていた。そのおかげで引っ越し先はすぐに決まった。 祖母の家だ。それがあるのは俺が小六の頃、住んでいた町だ。
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