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そして闇があるような真っ黒な瞳。髪型は違うけど誰かとそっくりの顔だった。あの顔は誰に似ていたのだっけ?何も思い出せない。
そういうことにはさておき、雪美が今も虐められているのかどうか確かめないと。俺はさっき消しゴムで何を消していたか聞いた。
『気にしないで。大丈夫だから』
俺はその言葉に違和感を抱いた。きっとこういうときは大丈夫ではないそんな感じがした。
消しゴムで何かを消すのが終わると、次は本を読み始めた。読書は俺も小さい頃から大好きだ。もしかしたらこれは共通の趣味かもしれない。聞いてみると、俺と雪美は同じタイトルの本が好きらしい。
でもさっきからなんだか気まずい。彼女が言葉を出さないし、俺の声と雪美のメモ帳で通される会話。誰かと話すの嫌いだったりするのかな。思いきって聞いてみると、
『これには事情があって今は話せないの』
事情か。きっと内容は話したくないのだろう。まぁ人間の人生にはいろいろあるもんな。ってな感じの言葉を雪美に返す。
『これ以上、私に関わらないで』
俺はその言葉に一瞬心が凍りつく。
俺、嫌われた?
いやいや、いじめに巻き込みたくないだけかもしれない。
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