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その理由はもちろん、次は自分が虐められるから。シンプルな理由だけど、それは一瞬で恐怖へと変わり、今にも俺の心を襲おうとしている。
「どうして?」
なぜかはわかっていたのに俺はいつの間にか聞いていた。
『ご想像にお任せします。では、さようなら』
そう書いたメモ帳を俺に差し出して、逃げるように教室を出ていった。初対面としては最悪な展開だ。
だけど、これからも俺は雪美に関わらなければいけない。李実の正義感を受け継ぐためにも。
彼女が誰かと似ている顔で俺の予感からすればまだいじめは続いている。なんとかして止めないと。とはいえ、いじめを人の口からしか聞いたことのない俺は実際の現場を目のあたりにしたことが当然のようになかったので止め方などわかるはずもなかった。
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