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「李実は優しくて強い人だった。小三から虐められていた雪美をいつも平然と助けてた。俺の憧れの人」
里喜は突然呟くように語りだした。
「そんな李実が今度は虐められていて、僕は真っ先に助けにいきたいと思った。でもいざ助けに行くとなると、足が動かなくなった。まるで何かにでも縛られたみたいに。きっと怖かったんだろうな。次は僕が虐められるかもしれないって。それで今は後悔として残っている」
里喜は李実を助けれなかったことに悔しい顔をしながら語っていた。
確かに大切な誰かを助けれなかったら、そりゃ自分自身の後悔につながって長ければ一生心の中に残ってしまう。
だから俺達は今という一瞬を無駄にしてはならない。そうやって生きていかないといけない。
「わかるよ、その気持ち。誰だって普通はそうだよ。李実が特別なだけさ。俺だって李実から話してくれるまで気づけなかった」
「だから今は僕にできることをやっている。この学校ではさ、時々男女混合のドッジボールがあるんだ。そこでいつもあの男子達は雪美を狙ってくるからそこをいつも守ってる。本人が気づいてるかどうかはどうでもいい。僕は雪美を影から守りたい人だから」
俺は里喜の言葉を聞いて素直にかっこいいと思った。たとえ何回聞かされてもきっと飽きない。そんな言葉のように感じた。
「里喜は運動が得意なんだな」
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