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次の日。
「あなた、何をやっているの!?」
母の怒鳴り声で俺は飛び起きた。
李実はというと、もう起きて一階にいるようだ。
何事だろうか。そう思いながらリビングへ行くと、ちょうど母と父の喧嘩の真っ最中だった。
母は俺に気づくと、怒りの表情をおさえながらこう言った。
「おはよう、朝からごめんね。李野。びっくりしたでしょ?悪いけど、今日は学校を休んでほしい。話があるの」
「お、おう」
母がなぜ怒っているのか訳もわからないまま、机の上に用意された朝食に手をつけようとする。
リビングを見渡してみると、李実はいなかった。
「李実は?」
俺が母に聞くと、疲れたように一つ大きなため息をついて
「とりあえずご飯食べちゃいなさい。話はそれからよ」
と気持ちを落ち着かせれてないようで、少し怒ったような口調で言ってきた。
いきなりどうしたんだろ?
母が父にこんなに怒っているのは初めてだ。
「じゃあ、僕は会社に」
父はそう言って何事もなかったかのように会社の鞄を持ち、家を出ていこうとする。
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