14歳のバースデー

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言っちゃいけないけど恥知らずというものだろうか。本当に最低な父だ。 「ダメに決まってるじゃない!まだ話は終わってないんだから」 再び母の怒鳴り声が響く。思わず耳を塞ぎたくなるほどその声は大きい。それほどのことを父はしたのだろうと俺は察する。 いつの間にか手は震えていた。きっとこれから知る真実が怖いのだろう。でもそれを早く知りたいからか、俺の朝食を食べるスピードはいつも二倍以上速かった。 まだ震えが治まらない手で食器を台所に置き、自分の席へ戻る。母はその間に学校へ欠席の連絡をいれていた。 「李実のことなんだけど…」 そう言いながらいきなり母は涙を流し始める。 「いいよ。ゆっくりでいいから話して」 訳もわからないまま俺は泣いている母にティッシュを箱ごと差し出す。 それを母は受け取り涙を拭いながら言った。 「李実は…殺されたの。父さんに」 母のその言葉を聞いた瞬間、俺は息を飲んだ。 確かに昨日の夜中、二人を養うにはお金がないと母は父に言っていた。だからって家族を殺すだなんて。そこまでする必要なんてどこにもないはず。信じられない。信じたくない。 「李実!李実!」 俺は気づけば、椅子から立ち上がり家中を見て李実の名前を呼んでいた。洗面所にもお風呂にもトイレにも母や父の部屋にもいない、いない、いない!
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