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山沿いの山林道に出てから10分くらいは経っただろうか目的地はこの辺らしい。
そして、ナビの案内もおかしくなり始める。
ナビ画面には道が無く、間もなく目的地です。間もなく目的地です。間もなく目的地です。とずっと言ってる。
「あれ?多分ここだよね」
涼花は車を止めハイライトで目の前を照らす。
大きな建築物が林に囲まれ顔を出している。
流石廃墟というべきか、道のあらゆる所から草が無造作に生えており道の先が車越しでは確認出来ない。
歩くとまだちょっと遠い距離感。
「アイツらの車どこだぁ?」
「ちょっと宏文くん、怖いから窓開けないでよ」
涼花を無視し宏文は車の窓を開けて懐中電灯で辺りを照らしながら見渡す。
しかし、人の気配も車も見つからない。
「でも建物ってここしか無いしな合ってるよ多分。亮二の車、車高あるからもっと先に行ったのかも」
「私の車はここで限界かな。もう草の丈も高くて危なくて進めないよ」
「降りていってみる?みんなの分のライトあるしさ」
懐中電灯は4つ。コンビニに置いてあるだけ買い占めた。
それをもう一人の康太が持ってくれてる。降りる選択肢をくれたのもその男子学生だった。
「え」
ガチャ
バタンっ!!
女子大生だ。彼女は何も言わずにいち早く外に出で廃墟の方へ向かっていく。
みんなの気を引こうとしているのか。もしそうなら彼女の作戦は成功したといえよう。
「ちょっヤバいって、追いかけよう!」
3人も車から降りて彼女を追いかけた。
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