壱話 消えた4人

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廃墟に近づくとやはり結構な大きさ。古い洋館の様な造りで左右対称に長い造形だ。 今回の合コンで一人だけ地元の子が居た。それが無口な女子大生の彼女だ。 宏文が合コン中「出身どこ?」と聞いて「ここ」と答えていたのを覚えている。 車の中では宏文が一人喋っててなかなか彼女に声掛けれなかった。 「なあ、ところで今更なんだけどさ」 宏文が怪訝そうな顔で涼花に問う。 「急にどうしたの?」 宏文は悩んだ挙句、出したその言葉に衝撃を受けた。 「彼女って誰なの?」 「え?」
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