壱話 消えた4人

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有耶無耶のまま、涼花、宏文、康太は廃墟内に潜入した。 「足元気をつけてね、だいぶ劣化してるみたいだから」 涼花は二人に注意するように呼び掛けた。 何か出て来るかもしれない不安や恐怖からか三人とも密になり行動している。 床は全体がギシギシ軋み、一部、靴がめり込む箇所も見受けられた。 「この先は無理そうね...」 「そうだな。引き返そうか」 涼花と康太は床の状況をみながら進む道を選んだ。 「た、頼む、二人とも置いていかないで...」 一番乗り気で楽しみにしていた宏文は足がすくみ今にも倒れそうになっていた。 「酔ってる時、こんなに足場悪いと...うっ」 宏文の顔色は青ざめていた。 「一旦入口に戻ろう」 康太は宏文に肩を貸し戻ろうとしたところ。広間だろうか、扉が軋む音を立てて勝手に開いた。
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