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「そっか。正直に教えてくれて、ありがとう。薬を用意しようか?」
「い、いえ。安静にしていれば大丈夫だと思います。たぶん副作用ですから。」
「……。」
俺がそう返事をすると、先輩はなぜか黙り込んでしまった。
……?
緋彩先輩が、珍しく何か言いづらそうな態度だ。
俺に、何かを伝えるべきか迷っている様子だった。
もしかして、
やっぱり俺は、嫌われてしまったのかな?
「うみっち、君に聞いてほしいんだけど……俺……。」
様々な思考がぐるぐる頭の中をループする。
……こわい。
こわい、こわい。
一体、何を言われるんだろう……?
俺は内心、恐怖心で気が気でなかった。
緋彩先輩は、少し俯きながら、けれど、意を決したように、ゆっくりと話し出すのだった—。
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