第37話 吐露

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頭痛は相変わらずだったけれど、先ほどの憂鬱な気分はすっかり晴れていた。 だんだんと眠気が強くなっていき、良い気分でまどろむ。 先輩と話していると、色んな感情が浮かんで忙しい。 でも、きっとそれは、俺が先輩に夢中なんだってことなんだろう。 ……もっと、先輩のことが知りたいな。 緋彩先輩の趣味って何だろう? 食べ物の好き嫌いはあるのかな? 好きな季節や色、お気に入りの場所は? 苦手なこととか、あるのかな? 俺と出会う前の先輩って、どんな感じだったんだろうか。 —『去年はあいつの騎士様(ナイト)だったクセに。』 ハッとして、目を見開く。 以前、会長が緋彩先輩に向けた言葉を思い出し、俺はすっかり眠気が飛んでしまった。 「……。」 ずっと気にしないフリをしていた。 でも、心の奥では知りたい気持ちがどんどん強くなっている。 先輩にとって、去年学園にいたであろうその人は、どんな人なんだろう。 もしかして、先輩はその人に、好意を抱いていた……とか? 過去に、付き合っていた人……かもしれない。 様々な憶測が頭の中で飛び交い、心がモヤモヤした。 いや、勝手に決めつけるのは、良くない。 それに、先輩には俺の過去を詮索しないでとお願いしたのに、先輩の過去は知りたいなんて今更、虫が良すぎる。 俺はぶんぶんと首を左右に振って、今はまだ、考えないことに決めた。 数時間が経って、再び緋彩先輩が部屋に入ってきてくれた。 どうやら食事の準備が終わったようで、俺と一緒に移動するために呼びに来たらしい。
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