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「相葉、またおまえか。何度言ったらわかるんだ。茶髪は校則違反だぞ」
校門をくぐろうとしたところで、お決まりのうんざりしたような声がかかり、あたしは仕方なく足を止めた。
相手を確認するまでもなく、風紀委員長の武田だ。
「別にいーじゃん。誰かに迷惑かけてるわけじゃないんだしー」
口をとがらせて反論するあたしに、武田の眉間のシワが、より一層深くなる。
「毎日毎日注意する俺に、迷惑をかけているとは思わないのか」
「はいはい、わかりましたー。今度ちゃんと黒くしてきまーす」
「それも何度も聞いてるんだが? それから、スカート丈も。そのうちおまえ、学校に入れてもらえなくなるぞ」
「学校なんてキライだから、別に入れてもらえなくなってもいーですよーだ」
武田に向かってあかんべーすると、あたしは軽い足どりで校門をくぐった。
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