薔薇色だった日々

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 夫婦ってもっとこう……行為の後も睦まじい雰囲気が漂ってるものじゃないの?  夫にとって私は、金を払わずに抱ける女でしかない。  逆らわない召使い兼性欲処理の道具。  長い間広高から邪険に扱われて、里帆の自己評価はそのようになっていた。  広高が妻に冷めていたのと同様に、里帆の方でも夫にときめかなくなっていた。  一年後には離婚しているかもしれない。  彼女はそのような予感をひしひしと抱いていた。  そういう時期に、里帆は完璧な男性——佐々木(ささき)に出会ったのだ。  その出会いが、彼女の人生を性格を何から何まで変えていった。
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