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「ところでウォンツさん。恋についてうかがいたいんですよね?」
「えぇ。今朝、ワタクシの身の回りの世話をしてくださる方に恋について問うたのですが…頬を赤らめてしまって。ワタクシよりも、その方の方が恋愛に詳しいと思ったのですがね…難しく考えられてしまったようで。」
「まぁ、突然恋について尋ねられたら、誰でも返事には困りますわよ。現に私だって貴女に『恋についてうかがいたい』と言われた時は呆然としたんですよ。」
「それは…すみません。」
「別に構いません。それに、むしろ相手が私でよかったとすら思っています。」
おそらく、私がゴシップさんの言っていたネタを覚えていてそれを交渉に使ったことを言っているのでしょうね。
「私はあくまでもノンフィクションの恋よりも、フィクションの恋に多く触れてきた身です。青春もの、純愛もの。片思いをしている主人公視点のお話や第三者視点…色々ありますね。そんな私から恋とはなんなのかを言うとすれば…不定形のものです。恋愛に決まった形という概念は存在しないと思っております。」
その言葉が妙に腑に落ちた。わだかまりもなく、滞りもなくストンと─。
名前をつけられてカテゴライズされているとはいえ、恋愛に同じ形は存在しない。それが歪でもそれを恋と称することは出来る。傷つけることも癒すことも恋だと言えるのだと納得をしました。
「そういう貴女は、恋をなんと称するのです?」
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