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『アナタの呼び名をどうしようかと思いまして。』
『ハァ?─あ、すみません。』
『今のは反逆と見做しても?』
『意味分からないこと言ってきたので…。ちょっと感情が。』
『プッ…ふふ、そんな焦らなくてもいいのに。少しアナタを揶揄っただけですよ。』
『…あー。…それで何ですか?呼び名って。苗字呼びでいいじゃないですか。ウィンで。』
『ミス・ウィンウィン?』
『何ですかそれ。』
『利害一致の関係ですわ。アナタという存在そのものがWin-Winですよ。』
『あんまいい気しないですね?』
『じゃぁレクシー?』
『バッ─ちょ─名前呼びは嫌です!』
あの時、初めてミス・ウィンウィンの名前を呼んだとき、どうしてそんなに顔を赤くしたんですかね。身分差があって名前呼びをされることがおこがましく感じたんでしょうか。だとしたら申し訳ないことをしてしまいましたね…。悪戯心とはいえ。少しばかり可愛らしいと思ったのは言うまでもないです。多少の言葉の乱れや暴言すらも可愛く感じてしまいます。
『ミス・ウィンウィンでいいですよもう。そっちの方がいいです。』
『気に入られました?』
『そういうのじゃないですって。』
『そう?』
『そうです。』
久しぶりに心から笑った気がします。
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