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『私はずっと、ウォンツ家で働く訳でもないのに、どうしてそんなに重宝するんですか?』
『ウォンツ家は、欲しいものや大事だと思ったものや人は重宝するものです。ワタクシにとってアナタの存在が大事であるそう認識したからですよ?』
『……そうですか。』
『何か言いたげですね?』
『口が裂けても言えません。反逆というかただの暴言になりかねないんで。お嬢様のご友人でもないのに。』
『言ってみてください?怒りませんよ。』
『それ怒る奴じゃないですか。』
『ワタクシ、嘘はつきませんよ?』
『……人たらしめ。』
『ふふっ、卑しいですか?少し。』
『脇目も振らず…必要だと感じたら愛想を振り撒く八方美人みたいな感じがするなぁと。お嬢様は清廉潔白って感じなのでそうは思わないですけど。』
『前者の言葉が本当の考えなのは分かってますわよ?』
『後者も本当ですけど?』
『はいはい。ふふっ。』
欲しいと思ったものは手に入れる。ウォンツ家の跡取りや当主は代々そんな人間でした。私もその片鱗があることくらい理解しています。
いっそのことミス・ウィンウィンを─いや、こんなのは我儘でしかないですね。
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