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【帰路】心臓のビートは心地悪い
心地のいいおとなしいBGMに合わせてビートを刻み始める。等間隔に配置されたバスドラム。ズンズンズンズンと鳴ってた。だんだんビートもBGMもテンポを上げていく。そして、誰のものかも分からない声…コールがリズム良く繰り返される。そしてターンテーブルをチェキっと回転させ─。
「スッゲェ!」
音楽が変わる。よく分からないけど今かかってる音楽は所謂クラブミュージックとかEDMってやつなのかな。
私はパリピみたいにブチ上がるみたいな…フロアで沸くとか…フロアを揺らすタイプの人間じゃないけど…すごいってことだけは分かる。この曲のこともDJの人も周りの人のことも知らないけど─。
「…アガるってこういうこと、か。」
「そー!」
アンがニコッと笑っていた。学校じゃいつもダルそうな顔してんのに、そんな顔出来るんだ。
ニュイもすごい笑ってる。ブレイクもめっちゃ─フロア壊す勢いでジャンプしてるし。
まだ登場からそう経ってないのに──スゴ。鳥肌が立つ。ブワッと─。
「もっと盛り上がるぞーっ!」
一気にBGMの雰囲気が変わった。今度はすごい強い曲っていうのかな…クライマックスというかサビみたいな─!
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