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「もっともっとアガれぇーッ!」
クラブ内の照明という照明が眩しかった。でもそれを疎む理由はなかった。
気付いたら腕を上げて上下させてた。周りのことなんて…分からなかった。協調性とかを気にした結果じゃない。これは私の体が本能に従っただけなんだ。
「もっとイケる!いくぞ!」
よく分からなかった。DJが色々いじってた。とにかくかっこよくなってた。ビートを刻んで、エフェクトを入れてなんか、なんか─!
「はぁ…っ…はぁっ…はぁ…!」
「コール行くぞー!」
あまりはっきりとした意識はない。呼応して呼応して─何をコールしたのかは分からない。得体の知れない高揚感─感覚─。脳みそがおかしくなるんじゃないかって思った。
「いいぞ!いいぞ!次がラスト!最後まで盛り上がるぞーっ!」
最後だなんて言ってほしくなかった。終わるんだ。コレが。コレが終わったら私は──。
「…っ!」
「……ウィン?」
「わ、私帰─。」
「最後まで見よ?一緒に最後まで私は見たいなぁ〜。」
ニュイが私の手を握ってた。それを振り払う勇気も決意もなくて─。
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