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「…すごかったな…クラブなんて怖くて行けたもんじゃねぇって思ってたんだけど…こう、わかるか!?」
ブレイク達は盛り上がってた。私だって途中までは盛り上がってたんだ。でも…でも…思い出した。私のバカ。何やってるんだろう。何を─投げ出すなんて一番─。
「……誰…あれ…。」
「ん?ウィン〜、どうし──って、あれが例のお嬢様?友達じゃね?」
アンはそう言うけど…私にはそうは見えなかった。心臓が嫌に拍動してた。自分が浮ついて、気持ちが悪かった。あの人がもしかして…私の代わり…?
「お嬢…っ…ま、待って。お願い待って…。」
「あ、ちょっ!」
「行かせてあげて。」
「ニュイ…?」
「待って…置いていかないで……“私じゃなくてもいい”なんて信じたくない。言ってもらえなきゃ信じない─!」
何言ってるんだろう。何言ってんだろう。
正気なのかな、正気…じゃないでしょこんなの。
痛い。胸が。喉が締め付けられる。
最後に一度でいいから、名前を呼んで欲しい─。
捨てられてもいい。せめて最後に顔を─。
「…ミス・ウィンウィン?」
「あ…あ…お嬢…はぁ…っ。」
「……そのままで結構です。中に入ってください。貴女に話があります─。」
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