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「…それでお話って?」
「…その前にひとつ質問を。……アナタの隣にいた殿方は?」
「……え?」
「学校帰りに隣で並んで歩いていたでしょう?」
ミス・ウィンウィンは怪訝そうな顔で考え込む。
「恋について尋ねた時は経験も何も無いというような顔をされておりましたけど?随分と仲がよろしいようで。」
「えっ、あ…あー…え?見られてた…?」
ミス・ウィンウィンの挙動不審な反応にウォンツ嬢が食いつく。しかしその表情はどこか険しい。それに気付いたミス・ウィンウィンは困ったような表情でウォンツ嬢から距離を取ろうと仰け反る。しかし離れた分の距離をウォンツ嬢に詰められる。
「…どなたです。答えてください。」
「え…えと…ブレイクってやつです…友達で…その…一緒にさっきまでクラブで。」
「友達?」
ウォンツ嬢は考え込むような仕草を見せる。そしてミス・ウィンウィンの顔をじっと見つめる。
「嘘ではないようですね。…彼、貴方に気があるのでは?」
「あいつがぁ!?」
「男女二人…二人きりでクラブですよ?クラブがいかがわしいなどと云う偏見がある訳ではないですが、雰囲気が雰囲気なところで二人きりなど…。」
ウォンツ嬢のその言葉にミス・ウィンウィンは事実との相違点があることに気づき、慌てて弁明を始める。
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