【三分間】どっちもどっちだ

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【三分間】どっちもどっちだ

 本当にカップラーメンなんかで今日の晩御飯を済ましちゃっていいのだろうか。てっきり冗談なのかと思ったけど、マジだった。  いやまぁ、お嬢様にとっちゃ物珍しいし…興味もそそられるし、私からしても楽だからwin-winではあるんだけど、これでいいのか…? 「お湯はこの窪みのラインまで入れれば?」 「そうですね。あ、ちょ、気をつけてくださいよ。火傷なんてさせたら、下手したら痕が残るんですから。」 「分かってますよ。」  お嬢様の手先は不器用って訳ではないけど、家事とかこういうのも今まで私がやってきたから心配でならない。手元が少しおぼつかない時もあるし…。 「…ミス・ウィンウィン。」 「なんですか?」 「お互いの勘違いも消化できたところで、お話ししたいことが。」 「さっきから言ってるやつですよね?」 「えぇ。勘違いをし合ってたお陰で話すのが遅れてしまいました。」  困ったように笑ってる。いつもと変わりない顔ではあるんだけど、まとってる雰囲気がどこか暗いというか、
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