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実際新生活は人の出入りが激しい。去る者を追わず。突き放されてないなら私は別にいい。
お嬢様の判断に介入するだけの権力というか権限がない。でもそんなことを聞くのにはそれ相応の理由があるんだよね。多分。
「どうして、そんなこと聞くんですか。決めるのはお嬢様でしょ?」
「…私が私であるように、親も親です。ウォンツ家の人間がどんな人間なのか分かるでしょう?」
「あぁ…えぇ。」
なんというか、欲求というかそういうことに素直で、なんというか─策略家なイメージはある。子は親を写した鏡って言うし─。
「両親が明日やってきます。見合いの日程も組んでいるそうです。」
「…強引ですね?」
「…しかし、そちらの方がいいとは思うんです。様々な事情を考慮すると。」
「お嬢様自身はどうなんですか。」
「…もしも意中の相手がいたら──。」
お嬢様はこっちを見てきた。妙にギラついた目で、ちょっと怖くもある。
身を退こうとしたら─。
「─そちらを優先すべきだと考えますか。」
こんのお嬢様!私の手掴んだ!ほんと…何を考えてんだ!
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