ウォンツ嬢とミス・ウィンウィンの逃避行

〔冷めないうちに〕いただきます

「あ、ちょっと─。」
　困りましたね。逃げられてしまいました。怯え切った表情をしていましたけど、そこまで怖い顔をワタクシ…してたのでしょうか。
「…ミス・ウィンウィン〜？」
　館内を歩き回ってひとまず探すことに越したことはないのですが、ミス・ウィンウィンに逃げられてる以上諸悪の根源＝ワタクシという前提がある訳で─。
「…というか、カップラーメン放って逃げないでもらっていいですか…。あのまま食べれるので別に困る訳ではないのですが…麺が…のび─。」
「先食べててくださいっ！」
「いやですから─。」
　声を張り上げて明瞭に聞き取れる、ということは─。
「近くにいるのでしょう？何もしませんから。」
　少なくとも食事中は。そんなはしたないことはしません。
「いぃや！こればっかりは信用出来ないです！」
「えぇ…。ワタクシ今まで嘘ついたことあります？」
「なくても無理です！行動が全てです！」
　行動？何かしましたっけ？
　ひとまず思い返して思い当たる行動を─。
「考えちゃってる時点で無自覚も甚だしいです！」
「と言われましても。」
　本当にわからないのですが…。