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「え…本当に身に覚えがないんですか…。」
五メートルほど先の柱からミス・ウィンウィンが顔を出してきました。通りで声がはっきり聞こえる訳ですね。
というか、逃げるならもっとちゃんと逃げたほうがいいと思うのですが─。
「えぇ。全く。」
「私の気も知らないでっ!」
「落ち着いてください…ミス・ウィンウィンの先程からの言動、かなり支離滅裂に聞こえますよ?落ち着いて…その…説明してください…?」
今朝はここまで様子がおかしいなんてことはなかったはず。おそらくワタクシと別れてから何かがあったのでしょう。その大元の原因はおそらくワタクシ。
「…とりあえず、今日会ったことについてでもお話ししますか?」
「…無理です。」
「食事中は何もしませんよ。」
「食事中は!?」
ミス・ウィンウィンには申し訳ないですが─本当に騒がしいですね。一人でこの大音量を演出出来るのはなかなかいないのでは?
「アナタが望まぬことはしません。誓います。」
「誓約書書かないと嫌です!」
「仰々しい…。」
とは言え、ここは要求に頷かない限り永遠に続きますよね。簡易的な誓約書でも─。
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