ウォンツ嬢とミス・ウィンウィンの逃避行

〔冷めないうちに〕いただきます

「いや、麺伸びますよ？冷めますし。」
「…食べなきゃダメですかぁ。」
「そこまで疑われることをしたのであれば謝ります。」
「…というか食事後も何もしないって誓えます？」
　本当に何があったんですか。いつもなら淡白な態度であしらったり、丁寧にツッコミを入れてくれるのですが─。
「終わりが見えませんね。」
「誰のせいだと──。」
「一度解雇処分下しますか？」
　ミス・ウィンウィンには悪いけれどそこまで言わないと、埒があかない気がします。
「嘘ですよね？」
「再雇用すればいいのです。いつでも解雇できますよ。一ヶ月の間を空けて。」
「いやでも再雇用されるなら─。」
「勿論、アナタの態度次第では一生再雇用のチャンスはないと思ってください。あーあ…お父様とお母様にお話をして処遇をよくしてもらおうと思っていたのになぁ〜…残念残念。」
　こんな猿芝居にも乗っかってくれる保証はないですが─。
「嘘ですよね…？」
「本気(マジ)です。」