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あまりにも様子がおかしいミス・ウィンウィンを気遣い、ブレイクは事の始まりを聞き出す。ミス・ウィンウィンは時に悶えながら事細かに説明をしたのだった─。
「……ということで、恋ってどう思います?」
「アオハル。」
「陽キャめ。」
ミス・ウィンウィンは表情に嫌悪感を滲ませる。ブレイクは半ば困った様子で「前世は陽キャにでも殺されたワケ?」と返す。
「まぁアオハルって言っても、今の歳だから言えることだよ?」
「大人の恋は?」
「…昼ドラ。」
「……極端。」
ミス・ウィンウィンは小さく嘆声をあげた。手で顔を覆い、俯く。そしてちゃんとした回答を得られないであろうと期待もそこそこに質問を投げかけた。
「彼女とかっている?」
「いる。」
「どっちが告った?」
「俺。」
「…はぁ。」
大きなため息の意図が掴めないブレイクは怪訝そうな顔でミス・ウィンウィンを見つめる。
そんな彼の様子に気付くこともなく、ミス・ウィンウィンは物思いに耽っていた。今の時代、初恋をしていない方がおかしいのではないかと。
「あのさ、お前の雇い主も言っただろうけど難しく考えすぎじゃないか?」
「恋したこともなければされたこともないんだよ?分かるワケないじゃん。ましてや言葉で説明!?はぁ〜…無理だぁ。」
「俺はアオハルって言ったけどさ、雇い主は残酷だとかなんだとか言ったんだろ?お前どっちかって言うとどっちの意見に共感できる?」
「……アオハルの方がまだ落とし込める。」
「じゃぁアオハルって説明すれば良くね?青春です!って。お前は連想ゲーム下手だな〜。青春は熱くて甘酸っぱくて青臭くてなんぼだろ!ボキャブラリーはあるのに思考が足りてないなぁ〜。頭でっかちのウィンちゃーん。」
ブレイクは揶揄うようにミス・ウィンウィンの頭をツンツンと指で突くと逃げるように走って行った。ミス・ウィンウィンは呆然としていたが、ブレイクのその言葉が腑に落ちていた。
「…受け売りでも、いっか。」
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