序章

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 人間は中身で勝負。  そう言われたとしても、その言葉を芽依菜(めいな)は信じられない。  そもそも、人とは第一印象ですべてが決まるといっても、過言じゃない。そう、つまり――見た目が全てなのだ。  もしも中身で勝負が出来るのならば、周囲は芽依菜の印象をガラっと変えるだろう。  それにならば、なにをかけても構わないと思える。それほどまでに、芽依菜はそう思っている。  けれど、さすがにこのままではマズイ。  危機感を抱いていたとき、行きつけのバーで一人の男性と出逢った。  遠目からしか見たことがない人。  だけど、芽依菜は思った。  ――彼ならば、見た目に合った自分にしてくれると。  だから、芽依菜は言ったのだ。 「私の処女、もらってくれませんか?」
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