第1章 会社の御曹司に「処女を貰ってください」と言ってみたら

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 そのままベッドに運ばれ、優しく寝かせられる。  ごくりと息を呑めば、康介もベッドに乗り上げてきた。 「……芽依菜さん」  彼が芽依菜のことを呼ぶ。その声だけで、身体が火照るような感覚だった。  それはお酒の所為なのか。はたまた――彼の色香に、本当にやられてしまったのか。 「……ぁ」  康介の手が、芽依菜の身体に触れる。その後、するりと芽依菜の身体を撫で上げ、頬に添えられた。 「んっ」  優しい口づけが、降ってくる。  驚いて一瞬だけ目を開けるが、すぐに瞑った。口づけとは、キスとは。目を瞑って行うものだという知識があったためだ。 (なんていうか、こそばゆい……)  何度も何度も触れるだけの口づけを落とされる。  その感触に、頭が落ち着いていく。なのに、心臓は驚くほどに早く音を鳴らしていた。 「んんっ」  彼の手が、芽依菜の脇腹を撫でる。それだけなのに、身体が反応してしまう。身体が熱くて、火照っているのが否応なしにわかった。 「……口、開けて」  そう囁かれて、芽依菜はゆっくりと唇を開く。そうすれば、口腔内にぬるりとした温かい何かが差し込まれた。 (……な、に?)  一瞬だけそう思ったが、それが康介の舌だと理解するのに時間はかからなかった。
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