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「直人よ、お前はまだ若いから分からんだろうが
大人になったら自分の人生は自分で切り開かな
ければならないんじゃぞ。」
また始まった、おじいちゃんお得意の説教。
おじいちゃんが突拍子も無く言うこの文言は妙に
面映ゆくて、要領が掴めないから苦手だ。
「直人、そろそろ夕飯の時間だからおもちゃ
片付けなさい。」
母さんに諭され、僕は名残惜しさに溜め息を
吐いた。
子供で居られる時間って、後どれくらいだろう。
時間って有限なんだし、せめてもう少し遊んで
居たい。
大人って生き物は、何故子供に対していつも
上から目線なんだ?
無性に腹が立った僕は、腹いせに傍にあった
おもちゃ箱を浴びる様に引っくり返した。
ガラガラと音を立てて散乱するブロックや
ミニカーを眺めると、少しは気が晴れた。
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