5. 知らない一面

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古民家を改装した店内の雰囲気にマッチしたバックミュージックが心地よくて、とても落ち着く。座った席からはカフェの庭が見えて、よく手入れされた植物のグリーンが目に優しくて癒される。 程なくして注文したラッシーが運ばれてきた。 (あ、美味しい!) ラッシーってもっと濃くて甘いイメージだったけれど、これはレモンの風味が効いていて、とてもスッキリしていて飲みやすい。 ちょうど喉が渇いていたこともあって、ゴクゴクと一気に半分近くまで飲んでしまった。 次に運ばれてきたスパイスカレーは、爽やかなスパイスが癖になる美味しさで、どんどんスプーンが進んでしまう。これは簡単に自宅で再現できない味だ。 カレーのメニューはあいがけやドライカレーなど、他にもいくつか種類があったことを思い出す。またここのカフェに訪れて、他のも全部食べてみたくなる。 あっという間に完食したカレーのお皿が下げられて、デザートに頼んだパンケーキが置かれた。 たっぷり飾られたイチゴとクレームダンジュ、パンケーキ全体にかけられたベリーソース。その美しい見た目に、わぁっと小さく声が出る。 パンケーキの表面はしっかり焼き目が付いていながら中はふわふわの触感。カレーを食べ終えた時はかなりお腹いっぱいだと思ったはずなのに、こちらもぺろりと食べてしまいそうだ。 途中でお水を注ぎに来た店員さんが、+150円でラッシーの2杯目が頼めるという嬉しいサービスを教えてくれて、お代わりをお願いすることにした。 パンケーキを食べ終え、運ばれてきたラッシーのストローに口をつける。 店内はお昼時なこともあり満席だけれど、席の間隔がゆったり取られていることと、意外とおひとりさまのお客さんもちらほらいて、居心地がよかった。 (今日、思い切って出かけることにしてよかった) 私は、とても満たされた気持ちになっていた。
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