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「リカバリー対応お疲れ。今日は災難だったな」
PCから顔を上げると、四宮課長だった。
「お疲れ様です。すみません、明日課長に謝罪に行ってもらうことになってしまって…説明資料はもう少しでできそうなんですけど」
私の資料が出来上がって確認するまで、課長も帰れないんだよね。そして明日は朝イチで顧客先に出向いて謝罪。仕方ないこととはいえ申し訳ない気持ちになる。
「頭を下げるのは上の仕事だから気にするな。ツールの不具合原因はベンダー側の責任者に説明させるし。ちょっと資料見せてくれ」
「はい、どうぞ」
そういって私はPCを四宮課長の方へと向ける。
『何かあっても自分が責任を取るから気にするな』
トラブルが発生した時に言ういつもの言葉だ。
どんな時も落ち着いていて、絶対に慌てることはない。普段の仕事ではあまり干渉しすぎず、でも困っているときはいつでも相談に乗ってくれる。
私たちにとっては上司というより頼れる兄みたいな存在で、他の部のメンバーにも慕われている理由がわかる。
「吉沢はもう帰ったのか」
「はい、資料作成も途中まで手伝ってくれました。今日は遅いので先に帰ってもらって、明日の朝にシステムが正常に稼働しているか確認してもらうことになってます」
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