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「やったな!プロジェクト成功おめでとう!お疲れ様」
「笹戸さん、ありがとうございます!」
俺は笹戸晃(ささど あきら)、35歳。
仕事は多忙がだ、なんとかみんなと助け合いながら乗り気っている。
大きなプロジェクトが成功した時はなんとも言えない達成感がある。
「お疲れ様」「これからもよろしくな」
そんな言葉が飛び交う。
もちろん俺も言葉をかける。
時刻18時40分。
プロジェクトが無事に終わった。
帰宅はもう少し遅くなるかと思ったが
今まで帰りが深夜になるのがほとんどだったから祝杯は後日で今日はみんな、早く帰宅しようとなった。
良かった。今日は早く帰れるな。
なぜなら今日は、結婚して丸10年になる日だから。
妻(有沙)は大学の同級生で大学1年の頃から今までずっと一瞬にいる。
子供はいない。白猫の真珠と柴犬のダイヤが俺たちの癒し。
俺はもともと、あまりしゃべることが得意ではないから言葉足らずで妻は不満があるに違いないと感じている(女性は言葉にしてほしいとよく聞くから)
この10年間、色んなことがたくさんあった。
良いことも大変なことも・・・
そのたびに妻の優しさ明るさに助けられてきた。
今日もお互いに仕事が終わったら外食しようと提案したが「まだ仕事忙しい時期でしょ?今度お互い休みの時にゆっくりでいいよ」と、気を使ってくれ結局自宅で祝うおうということになった。
19時05分。
俺は早々に会社を出て、会社近くの花屋とジュエリー店に向かった。
ジュエリー店は以前から予約していて妻が好きそうな指輪を購入した。
サプライズなので、喜んでくれればいいが。俺はプレゼントを抱え妻が待っている自宅に急いだ。会社から自宅までは歩いて15分くらいと近い。着く前に連絡しようとメールをチェックしたら妻からメールが来ていた。
「お仕事お疲れ様。先に帰宅してるよ。ご飯用意してあるからメールに気付いたら連絡してね~」
俺はそのメールにすぐに「今から帰るよ」と返えすと、数分後には「今日、早いね!分かった。待ってます~」と返事がきた。俺はそのメールにますます早足になった。
19時57分。
「ただいま~」
自宅に着きドアを開けると一番に飛び付いてきたのが、ダイヤだ。
「ダイヤ~ただいま」
次にゆっくりと玄関まで来てくれたのが真珠だ。
「真珠、ただいま」
次はパタパタとスリッパの音をさせながら来たのは妻だ。
「おかえり~ごめん、シチュー温めてたからって、何だかいつもと違うものが手にあるわね~」とニヤニヤしながら俺に言った。
「あ、うん、花を。結局、外食も出来なかったしさ・・・」
「それで、買ってきてくれたの?」
俺は花束を妻には渡した。
「ありがとう。フフッ。綺麗ね。
あっくん、これからも宜しくね!」
あ、先に言われてしまった。
俺はもうひとつのプレゼントを開けて妻に言った。
「こちらこそ、これからも宜しく!」
妻は「ありがとう」と、優しく感謝をしてそして目が少し潤んだように見えた。
これからも、妻と真珠とダイヤと明るく暮らしていきたいと心から思った。
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