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真逆剤
晴れ晴れとした夏休み最終日の日曜日、朝10時…
外でくそがk…ん”んっ「子供たち」がにぎやかに遊んでいた。
「あ”ー…だりぃ…」
そう言っているのは「マナ」だった…現在中2…
「“薬”飲むかぁ…」
私はいわゆる“クスリ”依存症。
日曜日のどこかで薬を飲まないとおかしくなってしまう
「きょーは何飲もうかな…‥ってなにこれ」
透明な瓶に白とピンク、水色などカラフルなものが入っていた。
「なになに…」
『真逆剤それは、すべての物が真逆に見えるもの。5日に1錠。大量服薬すると戻れなくなってしまいます。』
「………へぇ」
私はなんもためらいもなく1錠飲んだ。
「……やっぱ1錠だといつもの感じがしないな…」
どうしてもあの感じがほしくてほしくてたまらなかった
そして頭痛薬、胃腸薬、カプセル、風邪薬、シロップの薬、サプリ、咳止め薬、鎮痛剤を大量に飲み込んだ、それも致死量ぐらいに…
「あははは…」
でもあの感じがしない。
いつもの幸福が出てこない。
出てくるのは黒い感情。
ドクドクと聞こえる心臓の音
「はあはあ」と息切れする音
後ろからは人の気配。
そしてもう一度真逆剤を手に取り瓶に入ってたすべてを飲み込んだ。
すると、いつもの感じが出てきた。
さっきまでの黒い感情や人の気配とか全て消えた。
だけど
私は倒れてしまった。
かすかに声が聞こえる
「 」
それは
うちの母さんの声だった。
「た…すけ…て」
「じゃあね、真逆剤に溺れたお馬鹿さん♡」
私の記憶はここで途絶えた。
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