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「……仲間……?」
青木はいつまでたっても開けてもらえない扉と、相変わらず頬杖をつきながら楽しそうにのぞき込んでいる桃瀬に視線を往復させた。
「そ。あいつも僕らも死刑囚」
桃瀬の大きな目が見開かれる。
「てめーを今すぐぶち殺したい同志だよ?」
「――――」
頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った。
桃瀬や黒崎が死刑囚?
いや、そんなのはどうでもいい。
あの赤羽が、死刑囚?
俺を恨んでいる人間の一人?
「……ぐっ!」
突然、頭が割れるように痛くなった。
顔が熱い。
いや顔だけじゃない。身体が燃えるように熱い。
「効いてきた?」
桃瀬が視線を送ると、黒崎はやっと青木の背中から下りた。
「……ウッ!……ぐッ……!!」
自分への重圧が消えたのにも関わらず、青木はろくに動くこともできずに、生物室の床を這いずった。
「はは。どこ行くの、死にかけの蟻さん?」
桃瀬の笑い声が遠くで聞こえる。
「……ア゛……ア゛ッ!!」
股間が熱い――。
むしろ痛い――。
全身が溶けてしまいそうだ。
「……俺は……」
掠れる声を出す。
「このまま死ぬのか……?」
「……ぷっ」
桃瀬が吹き出す。
「まあ、天国か地獄かのどちらかにはイケるだろうね」
黒崎が青木の上半身を引き上げる。
「赤羽―。誰も来ないように見張りよろしくー」
黒崎が間延びした声で扉に向かって言うと、
「了解」
聞き違えるはずのない赤羽の声が返ってきた。
「……赤羽……なん……で……ッ!」
正座で座らされた青木を、桃瀬が覗き込んでくる。
「どうした。まるで失恋でもしたみたいな顔して」
桃瀬は両手で青木の顔を包み、楽しそうに笑った。
「しょうがねーから、僕と黒崎でたっぷり慰めてやるよ」
その白く小さな手が桃瀬のベルトにかかる。
「もう男なんて見たくもなくなるくらい、徹底的にな」
ボクサーパンツから、華奢な身体にしては大きなソレを取り出すと、桃瀬はニヤリと笑った。
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