プロローグ

2/2
163人が本棚に入れています
本棚に追加
/167ページ
時は2●34年。 日本国内法における最低法廷年齢――すなわち死刑が適応される最低年齢は、犯行時18歳以上であった。 しかし2022年に成人年齢が引き下げられたことで、18歳未満の凶悪犯罪が増え、18歳未満の少年を育成して、危険なことをさせるなどという暴挙に出る人間が激増した。 それを受けて与党は、最低法令年齢を16歳に引き下げる法案を打ち出し、翌2●35年、可決された。 そのわずか1年の間に、16歳になったばかりの少年が中学生12人を殺すという、単独犯による殺害の人数としては戦後最多を記録する事件が起こり、国会で審議の結果、法令の執行は法案が打ち出された2●34年に遡ることとなった。 ――死刑判決を受けた16歳の少年は7人。 これはその少年たちが命を懸けた、ボーイズラブエクスペリメント、 ――すなわちBL実験の全記録である。
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!