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マロンが目をギュッとつむり、気がつくと温かいものに包まれていました。
「ママのおなか、かな」
目を開けると、そこにいたのは黄色と黒のしま模様をした大きな動物がいました。
「ママ、じゃない」
「いや、ママだよ。だって、このトラからオレたち生まれたんだから」
となりにいたのは同じ模様をした動物でした。マロンはびっくりして後ずさりしました。
「ネコじゃないの? 似てるけど」
「ネコじゃないよ。オレもアンタも」
小さなトラに言われ、マロンは自分の手を見ました。マロンの手も黄色と黒のしましまで、前よりもずんぐりしていました。
マロンはトラに生まれ変わったのです。
「あ~ん、白ネコさんのいじわる」
マロンは声を上げて泣きました。となりの小さなトラはおどろきました。
「泣くなよ、レオン」
「レオンじゃない。マロンはマロンだもん」
「分かった、マロンって呼ぶから一旦落ち着けよ。何があったか知らないけど」
小さなトラに言われ、マロンは泣き止みました。
そして、小さなトラはヒョーという名前であること、ここは動物園というところだと教えてくれました。
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