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こうして、マロンはヒョーといっしょに動物園でくらしました。
少し大きくなると、食べ物として赤い肉のかたまりが出ました。
「いいにおいはするけど、ママのカリカリがいい」
「わがまま言うなよ。おなかがすいて死んじまうぞ」
ヒョーが肉のかけらをマロンの前に差し出しました。おなかが鳴ったマロンはしぶしぶ、その肉を食べました。
もう少し大きくなると場所が変わり、毎日のようにたくさんの人たちにじっと見られたり『レオン』と呼ばれたりするようになりました。
「こっちに来いよ。人に慣れてるんだろ」
「だって、そこにいる人はマロンのママじゃないもん」
マロンが寝床で寝たふりをしていると、ヒョーが首根っこをくわえました。
「ずっと寝てばっかりは体に悪いぞ。少しは動けって」
「やーだー。やめてよー」
マロンはヒョーにひっぱりだされました。
マロンにとって、今の生活はネコのときとは大違いでした。
それでも、白ネコの言葉を信じて、まなちゃんと会える日を待っていました。
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