妖怪

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 日曜日は七時に目を覚ました。Tシャツとチノパンを穿く。外は霧雨だ。明彦は玄関の横にある東の窓と自分の部屋の窓を開けた。凛香の念が届いてくれればいいが。  父は八時に起きてきた。明彦はコーヒーを淹れる。 「もう朝ごはん食べちゃう? 食べるなら作るけど」 「そうだな。明彦が作ってくれるのか」 「作るといっても目玉焼きとハムを焼くくらいだよ」 「それじゃあ、お願いしよう。母さんにも食べさせたいな」  明彦は微笑んで冷蔵庫から食材を出した。午前中は洗濯をして掃除をしよう。母がいないと大変だな。  お昼は出前で済ませて病院へ行く。父の運転だ。病院のパーキングに停めて病室へ向かう。昨日買ったマグカップも忘れずに持ってきた。  カーテンを開けずに声をかける。 「お母さん、明彦だよ。今日はお父さんも来たよ」 「ああ、カーテン開けちゃって。洗面所のところに余っている丸椅子があるでしょう」  父は丸椅子を持ってきた。明彦はカーテンを開ける。昨日より顔色のいい母がベッドを起こして座っていた。 「母さん、具合はどうだい?」 「昨日の夜と今朝は明彦がおかずを買ってきてくれたおかげで全部食べられたの。体もだいぶ楽よ」  それは良かった。お守りと凛香の念で疫病神の力も弱まっているのか。
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