途切れない思い

1/1
前へ
/1ページ
次へ
「うわ・・・」 ブラシにまとわりついた髪の毛を見てため息ばかり。 ぱっくり割れた分け目、ぺったんこな髪の毛、目立つ白髪・・・ どんなに見つめても髪の毛をとかす度に抜ける髪の毛は二度と戻ることはない。 さえない肌。なのに日焼け止めまでしかしない私。 眉もそのまま、口紅さえ塗らない。 普段よりは少し綺麗な目な洋服だけが違う。 今日は久しぶりにママ友とランチだ。 特に何かあって会うわけではなく、お互いに子供の手が離れた今は時間があるから。 小学校6年で同じクラスになってからの付き合いだからもう数年。 ずっと続いているのは近所だし、そんなに密な付き合いではないから。 ただ、お互い高齢出産という事の共通があった。 活発な彼女は常に動いている。 自転車や車で出かけていく姿をごみを捨てに行くときに見かける。 「元気ね・・・」 そんな彼女にはたくさん友達がいるだろう。 でも、私にも声をかけてくれている。 同じような年ごろなのに、黒々とした髪の毛はボリュームを維持している。 目鼻立ちもはっきりしている。 そんな彼女を見ると私ははあの人を思い起こす・・・
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加