これから――よろしく

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今日から新しく家族になった(ここはどこだろう。目がはっきりと見えないなぁ)、白毛の可愛い子猫をそっと撫でる。 「これからよろしくね」(――うーん何ですか?よく分からないや) 初めて会った筈なのに(けれどなんだか落ち着くなぁ。ご主人様の温かさ)――君は何だか似ているね。 去年お別れした(どこか懐かしいこの温もり)家族の白猫に。 あの子も“お手”のように(ご主人様、もっともっと近くに来て欲しいな)そっと右足を私の手に乗せてきた。 そろそろり、(ねぇ、傍に居たいのです)と。 うん、うん……。うん(ご主人様の近くにいるだけで落ち着きます)優しい猫パンチのように何度も差し出す(ねえ、ねえ。これから――よろしくお願いしますにゃ)その右手は、猫の握手のようだ。 私は愛しさを込め、子猫をそぅっと大事に(うん?ああ、そっか!この匂い、この体温、ぼんやりと写るご主人様のお顔)抱き上げて見つめ合う。 「これからもよろしくね(これからもよろしくお願いしますにゃ♪)
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